肩の痛みで整形外科に通っている方で、保存治療(消炎鎮痛剤や注射などによる治療)を第一選択とし、やむを得ない場合に手術を行うことがあります。五十肩と呼ばれる肩の痛みには、どんな手術を提案されるのか紹介していきます。

内視鏡で関節包の癒着を剥がす手術

内視鏡を使い、固くなった関節包を切除していきます。内視鏡のメリットは関節周囲の筋肉のダメージは小さく、疼痛も少なく、術後の関節拘縮も少ないことです。術後から回復し日常生活に復帰するまでに短い時間で済みます。

麻酔下で関節包の癒着を剥がす治療

これは、麻酔をして肩の関節を動かして癒着を剥がす治療になります。痛くて動かせなかった肩に麻酔をして痛みを感じなくさせてから、上まで肩を上げたり、回したりして癒着を剥がすことで、関節の動きが良くなります。

麻酔をしているので動かしている間は痛みを感じないです。むしろ治ったと勘違いするほどです。しかし、麻酔が切れた後は痛みが出てきます。これを何回か繰り返し行っていくのですが、痛みに耐えられず一回で離脱する方が多いようです。

運動器カテーテル治療

五十肩で痛みが出始めると、肩の周りには毛細血管が新しく生まれ始めます。モヤモヤ血管と呼ばれるものです。その毛細血管に神経ができ始めることで、痛みをより強く感じてしまうことがあります。

これは、毛細血管そのものをなくすことで痛みをおさえる手術になります。適用するかしないかは、専門機関で検査を行って下さい。適用される場合は、痛みが改善されることが期待されるので、思い切って手術を受けても良いかもしれません。

インピンジメント症候群手術

インピンジメントとは、肩甲骨と腕の骨であるら上腕骨が肩を上げる際にぶつかっていることをいいます。手術内容としては、ぶつかっている肩甲骨部分を削る手術になります。

このインピンジメントの手術は慎重に考える必要があります。

肩甲骨と腕の骨がぶつかってしまっている原因が、筋肉の緊張や関節包の問題であることが多いので、ぶつかっている肩甲骨を削っても症状が改善されること少ないです。
手術をしても可動域や痛みから解放されることが少しも無ければ、ただただ手術をして骨を削っただけになります。

しなくていい手術ほど怖いものはありません。インピンジメントと診断されて手術を考えているなら慎重に判断して下さい